間質性肺炎患者の終末期・緩和ケアについては、がん診療ほどのエビデンスがなく、また予後予測がしばしば困難であること、
日本ではホスピスへの入院が困難であることなど、大きな違い・問題が存在しています。
我々呼吸器内科医は、肺がん患者さんで得た知見を応用したりしながら一例一例悩みつつ対応しています。
これはよいケアが提供できた!と思えるケースもあれば、うまくいかなかった・もう少し何かできなかったか悔やむケースもあります。
日本のケアの実情を反映した(むしろうまくやっているところの)データです。
【背景】間質性肺疾患(ILD)患者におけるquality of dying and death(QODD、終末期・看取りの質)と終末期の介入の関係についてまだ十分に理解されていない。ゆえにILD患者と肺がん患者でQODDと終末期介入に違いがあるのかも、まだ十分にわかっていない。
【方法】本研究の主な目的は、ILDで死亡した患者と肺がん(LC)で死亡した患者の間で、QODD と終末期の介入の違いを調べることとした。郵送調査を実施して、QODDの定量化を行った。グッド・デス・インベントリ(GDI)スコアを用いて遺族の視点からの終末期介入を検討した。さらにカルテレビューによる看取り介入についても検討した。
【結果】介入対象となった361例のうち、遺族がアンケートに回答した167例をQODDの対象とした。ILD患者はLC患者に比べてGDIスコアが低かった(p=0.04)。
特に「身体的・心理的苦痛の軽減」と「予後の認識と意思決定への参加」に関連する領域で低かった(それぞれp=0.02)。
終末期の介入では、ILD患者は専門的な緩和ケアサービス(8.5%対54.3%、p<0.001)とオピオイド投与(58.2%対73.4%、p=0.003)を受ける割合が低かった。
さらに、ILD患者の終末期の話し合いへの参加頻度も低かった(40.8%対62.4%、p=0.007)。
(患者の年齢・性別についてはほとんど差はなかった(76.0 vs. 74.9、男性 77.4 vs. 73.4)。また長期在宅酸素療法を受けている割合はILD患者の方が多かった(52.0 vs. 15.8)。
ILD群では急性増悪患者が55.9%であった。こうした背景もあり、検査や輸血・輸液、延命処置、IPPV、NPPVを受けている患者はILD患者の方が多かった。)
【結語】 ILD患者はLC患者に比べてQODDが低く、緩和ケアや意思決定へのアクセスが悪かった。ILD患者のQODDを改善するためには、特に症状緩和と意思決定のプロセスにおいて、さらなる努力が必要である。
ILD急性増悪だと、どこまで治療を行って、どこから緩和ケアの割合を増やしていくか、非常に塩梅が難しいためこのような結果になったのだと思います。
またそれまでほとんど症状がなかった(ゆえにACPが進んでいない)患者さんが急性増悪で入院し、重篤な状態になった場合など、患者さんと予後や希望するケアについて前もって十分話し合っておくことが困難なことも多いです。
疾患の特性上、意思決定のプロセスにおいて患者さんの意向を十分反映できないことはある程度仕方がない部分もあるのかもしれませんが、
急性増悪治療中からも早期に十分な症状緩和を図っていく必要があることは確かでしょう。
あくまで私見ですが、
次の記事で以前呼吸器病棟向けに行った間質性肺炎の緩和ケアについて取り上げたいと思います。
GDI(意訳です。いい日本語がみつからない。)
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-29334906"
hx-vals='{"url":"https:\/\/viceversa888.exblog.jp\/29334906\/","__csrf_value":"1541954daaeb3af1822617dde1c1453e615e9a77142360b71792a1b2a470a6b761029c23dbee44ac5d23005f19827096b09e8070c8673ac2904c82176d3ce08f"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">