COVID-19第5波もようやく収まりつつあり、少し振り返って考える余裕が出てきました。
得意な領域ではないので一旦寝かせていましたが、実症例の経験などから多少噛み砕く力がついたと思い読んでみました。
【背景】VV-ECMOのウィーニングについて
通常施設ごとに概ねプロトコル化されていると思いますが、以下のような手順で離脱を行います。
1)肺疾患、原疾患がコントロールされているか、病態として離脱が可能か
2)ECMO流量、スウィープガス量を減量;通常ECMO flow 2L/minくらいとすることが多い(病態にもよる)。
⇨Vital sign、呼吸様式、BGAの評価
3)肺保護管理が維持できる呼吸器設定(FiO2<0.6、PEEP<10(原疾患による)、Tidal Volume<8ml/理想体重kg、など)が可能か
4)オフテスト(sweep gas off trial (SGOT)) 回数、時間などは施設で異なる
本研究は安全な離脱を予測しうる指標を見つけようという目的で行われた観察研究です。
【研究概要】
トロント総合病院で行われた2つの観察研究(retrospective+食道圧(Pes)測定を含むprospective研究)
対象:同院ICUでARDSと診断され、VV-ECMOが導入された患者
retro: SGOTの最初の1時間と、VV-ECMO離脱直前(SGOTの最後の1時間)に、臨床パラメータとMVパラメータを記録
pro:上記+Pesに基づく指標(離脱4時間以内)
上記に加えて、パラメータに変化があった場合1時間おきのデータを記録
primary outcome:安全でない離脱(離脱後48時間以内にいずれかを満たす;VV-ECMO再導入、人工呼吸器設定の変化(A/Cへの移行、駆動圧↑)、追加治療(再度の深鎮静、肺血管拡張薬吸入、HFOV)、血行動態が新たに悪化し、敗血症や低血流の証拠がなく、血管作動薬の追加が必要となった場合)
secondary outcomes:人工呼吸器日数、ICUおよび病院の在院日数、院内死亡率
【結果】
retro:14例/55例、pro:7例/28例が安全でない離脱の基準を満たした。
どちらの研究でも、VTpbw(理想体重あたりの1回換気量)とHRが安全でないVV-ECMO離脱と関連していた。またprospective研究において食道内圧のswingも関連していた。
安全に離脱できなかった群でのみventilatory ratio(分時換気量 x PaCO2)/(予測分時換気量 x 予測PaCO2)が有意に上昇していた。
【結語】
SGOT中のVTpbw、HR、VRおよびPESのスイングをモニターすることで、VV- ECMOからの安全な離脱を予測し、離脱プロセスを短縮することができるかもしれない。
生理学的に理にかなった結果が臨床データからも示された格好です。サンプル数、背景など考えうる複数のありふれたバイアスはあるものの、
P/F比ではなく、「吸気努力」が増えてしまうようでは離脱できないだろう、という納得のいく結果なので大きな問題はないかなと。
彼らの提唱するSGOTプロトコルも受け入れやすいです。
スウィープガスの減量・クランプ:SpO2、BGA(pH,PaO2)を評価
VT、HRの変化、VR、PES(とくに>16mmHgはダメ)を指標として4時間以上観察
(概ね開始2時間以内に変化しているので、変化があれば即中止してなにか改善できる点がないか検討する方がよいかもしれません)
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