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救急車内の微生物汚染

今回は短め。
きっとコロナ禍で車内の消毒・清掃が行き届くようになり、多少改善しているのではないかと想像します。


【背景】搬送中に、患者は救急隊員や救急車から病原体に曝される可能性がある。
【方法】PubMed、Scopus、Web of Science、Embase、Google Scholarの5つの電子データベースを使用し、PRISMAチェックリストに従った包括基準と除外基準で論文を検索した。2009年から2020年の間に英語で発表された論文で、救急車の患者ケアコンパートメントをスワブまたはコンタクトプレート(RODAC)でサンプル採取したものを採用した。
【結果】16件がレビューに含まれた。
(主なもの)
血圧計のカフ:ブドウ球菌(MSSA、MRSA、CNS)、Acinetobacter spp. 、Enterococcus
酸素供給デバイス:ブドウ球菌、Acinetobacter spp.、P. aeruginosa、Klebsiella(ESBL)
パルスオキシメーター:ブドウ球菌
ストレッチャー:ブドウ球菌、Klebsiella(ESBL)、E. coli(ESBL)
その他:吸引デバイスからLegionella、BVMにP. aeruginosa、マスクや挿管チューブにS. marcescens

【結語】救急車内の病原性微生物の高い検出率は、清掃コンプライアンスに関する標準的なプロトコルが効果的でない可能性を示唆している。感染制御の専門家が病院との橋渡しとしてプレホスピタル環境改善のために介入すべきだろう。

環境中のブドウ球菌の存在は当然予想された(バスの吊り革やシートなどにも多数存在)が、患者が直接触れることや、水分・酸素の存在が影響して、緑膿菌や薬剤耐性グラム陰性桿菌、あるいはレジオネラの定着に影響しているようだった。
現在は車内が養生されていたり、アルコールを含む消毒が行われており、特に本邦では伝播リスクが高いとは考えていない。しかし救急車がしばしば土や患者体液、糞便で汚染することを考えると、ERだけでなくプレホスピタル環境の環境清掃・感染対策をもっと真剣に専門家が入って考えていくべき(特にpostCOVID19)なのでしょうね。



by vice_versa888 | 2022-04-20 14:25 | 感染制御 | Comments(0)

私見と自分の勉強のための備忘録です(感染症を中心に呼吸器および内科全般)。何か間違いがあればご指摘いただければ幸いです。臨床と研究、GeneralistとSpecialist、仕事と家庭、理想と現実。最適解がわからずいつも悩んでいますが、揺れ動く自分の立ち位置を確かめながら前進したいものです。


by vice_versa888