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肺真菌症とアゾール系抗真菌薬①

お話する機会があったので、ブログ用に抜粋+まとめ直してみました。
(COI開示:真菌症に関連する企業だと、富士フィルム和光(研究費)と旭化成ファーマ(講演料)があります)
長いので2つに分けます(その②)。


【日本の疫学データ】
確定診断が困難なことから、日本における深在性真菌症のtrendを知るには剖検例における変遷を見ることが参考になるだろう。
カンジダは経時的に低下しているが、アスペルギルスの占める割合が微増していることがわかる。
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中でもハイリスクグループである血液悪性腫瘍に限定してみると、アスペルギルス+α(カンジダ、ムーコル)が大半である。
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重症感染症となると、ムーコルの割合が増えてくる。
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呼吸器感染症ではやはりアスペルギルス、ムーコルが主たる病原真菌である(他は播種性だろう)
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【肺真菌症】
「感染症」として重要な疾患は
・侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)
・ムーコル症(肺ムーコル症)
・慢性(進行性)肺アスペルギルス症(CPPA,CPA)
の3つ。
ニューモシスチス肺炎は前回紹介したので割愛。

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診断については、過去記事を参照

診断に関する共通した問題点として
①患者が侵襲的検査に耐えられない、安定した条件での検査が困難なことがしばしばある(重症敗血症、重度の免疫不全状態)
②培養検査の感度が低い and 時間がかかる
③日和見病原体なので、検体のコンタミネーションのリスクがある
などがあり、参考所見として血清学的診断が非常に重要である。

グルカンなどバイオマーカー、画像所見については以下も参照


【参考文献】
アスペルギルス症 IDSAガイドライン(CID, 2016. DOI: 10.1093/cid/ciw326.)
慢性肺アスペルギルス症 ERSガイドライン(ERJ, 2016. DOI: 10.1183/13993003.00583-2015.)


by vice_versa888 | 2022-11-26 17:00 | 感染症全般 | Comments(0)

私見と自分の勉強のための備忘録です(感染症を中心に呼吸器および内科全般)。何か間違いがあればご指摘いただければ幸いです。臨床と研究、GeneralistとSpecialist、仕事と家庭、理想と現実。最適解がわからずいつも悩んでいますが、揺れ動く自分の立ち位置を確かめながら前進したいものです。


by vice_versa888