久々の更新です。
このブログの役割が当初と比較して、よりシンプルになった結果だと思います。
純粋に忙しいというのもあるのですが...。
ここでは今後も論文を通して、自分の考えをまとめる形を続けようと思います。
【目的】市中肺炎(CAP)ではウイルス性病原体の割合が高いにもかかわらず、経験的抗菌薬療法が定期的に実施されている。本研究では、特定された病原体に基づいて、患者の臨床症状、抗菌薬の使用、および転帰を比較した。
【方法】2007年から2017年にかけて実施されたCAPに関する国際多施設共同前向きコホート研究(CAPNETZ)において、免疫能正常でCAPと診断され、喀痰中の細菌およびウイルス病原体に対するマルチプレックスPCR検査が可能な患者を対象とした。患者は、細菌病原体検出、ウイルス病原体検出、細菌/ウイルス重複感染、および病原体検出なしに基づき4群に分けられた。多変量線形回帰を用いて差異を解析した。
【結果】細菌性CAP患者は、有意に若年(年齢中央値60歳、調整オッズ比[aOR] 0.96 [0.94-0.98])であり、喫煙率も低かった(aOR 0.98 [0.97-1.0])。CRB-65スコア(見当識障害、呼吸数、血圧、年齢65歳以上)が高いことは、細菌性CAPと関連していた(aOR 1.69 [1.1-2.58])。細菌性CAPは他の群と比較して、180日死亡率(aOR 3.59 [1.09-11.8])が高く、ウイルス性CAPは30日死亡率(aOR 15.79 [1.04-238.75])が高かった。入院時に、臨床症状に基づいて4つのグループを区別することはできず、CAP関連の合併症、入院期間、または抗生物質治療の適用/期間に違いはなかった(98.4%が抗生物質を投与された)。
【結語】CAP 患者に対する病原体中心の治療アルゴリズムは、不必要な抗生物質療法や副作用を避け、患者の転帰と長期罹患率を最適化するために必要である。
◎市中肺炎の2-3割でウイルス感染が関与している可能性がある
この研究は、細菌性CAPとウイルス性CAP、混合感染CAPにおいて臨床的な特徴、マネジメント、アウトカムに差があるかをみたものです。
比較的広い一般的な市中肺炎をターゲットとしており、それほど重症例は多く含まれていないようです。
細菌性肺炎の分離菌で最も多かったのはマイコプラズマで、ウイルスではライノウイルス、ついでインフルエンザウイルス、混合感染ではライノウイルス+肺炎球菌でした。マイコプラズマがしっかりdetectされているのも、(マルチプレックス)PCRの普及によるところが大きいと思います。ウイルスも上記報告と同程度、全体の34.3%で検出されています。
◎ウイルス感染=軽症、ではない
ウイルス性CAPは30日死亡率が高く、細菌性CAPは180日死亡率が高いと報告されています。
ただ、コホート全体で死亡者数が少ないので、この辺りは確実とは言い難いでしょうね。
少なくとも細菌かウイルスかによって重症度が大きく異なるというわけではないようです。当然背景疾患にもよるでしょう。
◎ウイルス性CAPでも通常通り抗菌薬治療が行われている
ウイルス性CAPでも細菌性CAPと同様に抗菌薬が投与されていたようです。これは研究計画上、ウイルスのみが同定されたことを主治医に伝えていないことが大きく関与していると考えられます。一方、実際の臨床でウイルスのみが検出されている状況で抗菌薬を投与せずに経過を見るというプラクティスはまだ一般化されていないように思います。
これまでよりも簡単にウイルスの同定が可能となった今、ウイルス性CAPでどのような場合に抗菌薬を投与しない、あるいは早期に中止できるのかを示すガイドや戦略が必要なのかもしれません。
またこういった研究で特に感じますが、ガイドライン通りの治療を遵守している割合は決して高くなく、第一選択でキノロンを使用したりしている風景は本邦でも同様だろうと思います。ウイルス云々よりも、まずは抗菌薬選択と治療期間の適性化が先かもしれませんね。
まとめ
○市中肺炎におけるウイルス感染の関与はもはや常識レベル!
○まずはガイドラインに沿った適正な抗菌薬選択と治療を
ちなみにウイルス性肺炎の特集を某商業誌に執筆です。完成したら共有します。
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